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東京地方裁判所 昭和53年(ワ)5150号 判決

原告

鐘紡株式会社

右訴訟代理人

竹澤喜代治

被告

SND出版編集兼発行人

平岡守男

主文

被告は、その出版発行にかかる漫画雑誌の表題に別紙第二目録記載の標章のうちの「エロイカ」の部分を付して販売、頒布してはならない。訴訟費用は被告の負担とする。

事実及び理由

第二請求の原因

一原告の商標権

原告は、左記の商標権(以下、「本件商標権」という。)の商標権者である。

出願日 昭和四五年二月一五日

登録日 昭和四六年一一月三〇日

登録番号 第九三九〇五〇号

指定商品 商標法施行令第一条別表第二六類印刷物(文房具類に属するものを除く。)、書画、彫刻、写真、これらの附属品

商標の構成 別紙第一目録記載のとおり

二被告の標章

被告は、表題に、「エロイカ」の表示を横書きに大きく片仮名で表現し、その左側頭部に縦書きに小さく「漫画」と漢字で表示した別紙第二目録記載の標章を付した漫画雑誌を販売、頒布している。

三原告の登録商標と被告の標章との対比

原告の登録商標からは「エロイカ」の称呼を生じ、被告の標章はその片仮名部分から「エロイカ」の称呼を生じるので、被告標章は、原告の登録商標と、「エロイカ」という同一の称呼を生じる点において類似する。また被告がその標章を付している商品である漫画雑誌は、本件商標権の指定商品「印刷物」と同一である。

したがつて、被告の前記二の行為は、本件商標権を侵害するものである。

四侵害の差止

よつて、原告は、本件商標権に基づいて、被告に対し、被告の標章の使用差止を求める。

第三被告は、本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しないから、民事訴訟法第一四〇条第三項の規定により原告主張の事実を自白したものとみなされるところ、右事実によれば、原告の本訴請求は理由があるから、これを認容し、訴訟費用の負担につき、同法第八九条の規定を適用して、主文のとおり判決する。

(秋吉稔弘 伊藤博 塚田渥)

第一、第二目録〈省略〉

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